むし歯について10(幼児のむし歯の予防、むし歯のリスクについて)

前回は、6歳以上の人についてのむし歯リスクについて紹介しましたが、今回は、6歳未満の幼児についてのむし歯リスクのことを、まずは説明していきます。

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どのようにむし歯になるのかは、6歳以上の人も、6歳未満の幼児も同じで、お口の中にミュータンス菌が感染していると、ミュータンス菌が食べ物や飲み物の中の糖分や炭水化物から酸を産生し、その酸によって歯が溶かされて穴が開いてむし歯になります。

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では、6歳以上の人と、大きく違う点は何かというと、

・幼児は、自分自身でお口の中の管理ができないこと、

・お口の中の管理は、保護者(厳密に言うと、日常の養育を主に行っている人)によって行われること、

・幼児のむし歯のなりやすさは、保護者(日常の養育を主に行っている人)の影響を大きく受けること、

などです。

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保護者(日常の養育を主に行っていいる人)と書きましたが、最も大きな影響を与えるのは、母親ですが、共働きなどで、一日の中でほとんどの時間、幼児の面倒を見ているのが祖父母などの場合は、その方が、日常の養育を主に行っている人であり、その方の影響も大きく受けます。

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では、具体的に、どのようなことがむし歯になるリスクに関係しているかというと、

〇歯磨きの回数

幼児は、本人ではきちんと歯磨きができないので、保護者(日常の養育を主に行っていいる人)が、一日に何回歯磨きをしてあげているかで、むし歯のリスクが変わります。本人による歯磨きは、あまり意味はないと考えてよいです。

〇フッ素の使用状況

歯磨きの回数に加え、その際にフッ素入りの歯磨剤やジェルを使用しているか、その他のフッ素の使用を併用しているか、によって歯磨きのリスクに影響します。

〇食事、間食の回数、時間

〇授乳状況、哺乳瓶の使用状況

寝る前の授乳を離乳期を過ぎても続けている場合や、寝る前でなくても、哺乳瓶の使用回数が多かったり、使用時間が長かったりすると、むし歯リスクは高くなります。

〇保護者(日常の養育を主に行っていいる人)にむし歯があるか、過去1年間にむし歯治療の経験があるか

保護者(日常の養育を主に行っていいる人)にむし歯があったり、今はなくても最近までむし歯があると、幼児のむし歯リスクは高いです。

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これらのことが、むし歯リスクに影響します。

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いずれの項目も、本人が何かできることではなく、保護者(日常の養育を主に行っていいる人)が変えていかないと、むし歯リスクを少なくすることはできないことばかりです。

特に、保護者(日常の養育を主に行っていいる人)にむし歯があるか、ということは、幼児のむし歯リスクとしてあまり知られてはいませんが、大きな影響を与えます。

お子様のむし歯リスクを減らすためには、家族の方にむし歯がない状態にしておくことが重要ですので、お子様本人へのケアも大切ですが、家族の方のお口のケアを一番に考えた方が良いようです。

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今回は、6歳未満の幼児についてのむし歯リスクのことを説明しました。

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