一度削ってしまった歯は、二度と元には戻りません。
そればかりか、何年後かには再治療が必要になる可能性が高く、
「悪くなって削って詰める」を繰り返した結果、最後は歯を失うことになりかねません。 大切な歯を守るためには、 日頃のむし歯予防がなにより大事です。
虫歯は、“初期(C1)”と“抜歯が必要になるまで進行した状態(C4)”までの段階に分かれます。
歯の神経を残せるかどうかで治療の内容やその歯の寿命が大きく違ってきます。歯の神経を取らないといけなくなると、治療回数もかかり、また神経を取った歯はもろくなってしまいます。
当院では、可能な限り歯の神経を残せるように努めています。
(写真右:むし歯の原因菌の中でも主役のミュータンス連鎖球菌)
エナメル質と呼ばれる歯の表面に少し穴ができます。 むし歯の部分が黒色や茶色になることもありますが、痛みなどの症状はなく、むし歯 と気づかない場合が多いです。
エナメル質の内部の象牙質まで、むし歯が進行している状態です。 冷たいものがしみることもありますが、症状がないこともあります。この状態でした ら治療はおおよそ3回以内で終わることが多いです。
歯の中の神経(歯髄)にまでむし歯が進行している状態です。冷たいものや熱いものがしみます。痛みが続いたり、痛みで夜眠れないこともあります。歯の中の神経に対する治療が必要となり、治療回数も多く必要になります。
むし歯がさらに進行し、歯の頭の部分が崩壊している状態です。 痛みはないこともありますが、ばい菌が根の中の深くにまで達するとズキズキと激し く痛むこともあります。また、顔が腫れたり高熱が出ることもあります。 深く進行している場合は、歯を抜かないといけない場合もあります。
むし歯は、歯のまわりの細菌が食べ物などの栄養から酸を作り出し、その酸により歯が溶かされ穴があいてしまう病気です。
一般的に病気の治療とは、その病気の原因を改善するように行われるべきものです。
しかし、むし歯治療の場合はどうでしょう? 一般的にむし歯治療とは、むし歯によってできた穴を削り、そこを人工の詰め物によって補うのですが、この治療では根本的な原因は何も改善されていません。そのため、何年後かには詰め物の周囲からまたむし歯になる可能性が高く、そうなると、もうひとまわり大きく歯を削って、以前より大きな詰め物を入れることになります。
その後も、またむし歯になっては削る…を繰り返し、元の歯はどんどんなくなってしまいます。そして、最終的には歯そのものを失ってしまうことになるのです。
実際、むし歯治療のうち、以前に治療した部分の再治療は71パーセント。一度治療を行った部分は、再治療が必要になる可能性が極めて高いことがわかります。
むし歯の穴を削っては詰め、また削っては詰める、という悪循環に陥らないためには、 歯を削らないこと=むし歯にさせないことが肝心です。
もしも歯を削って詰める処置が必要になった場合でも、治療後に適切な対策が講じられれば、再発を防ぎ悪循環を止めることができます。
その対策とは、むし歯の根本原因を改善すること=むし歯の予防処置です。
むし歯の根本原因とは、食べ物などの栄養から細菌が作り出す酸です。
したがって、むし歯の予防処置とは、
などを行います。 これらの処置によりむし歯の根本原因が改善されますから、本当の意味での治療ともいえるでしょう。
みなさまは、いつ歯科にかかりますか。
歯の痛みを感じてから、あるいは学校や職場の歯科検診でむし歯が見つかってから、あわてて歯科に駆け込む場合がほとんどではありませんか。
平成17年厚生労働省調査では、80歳の残っている歯の本数は平均9.8本、80歳で20本以上の歯を持つ方の割合は24.1%で、一生、自分の歯だけで食べることの難しさを物語っています。
前述した通り、歯を失う原因の一つはむし歯ですが、むし歯は防ぐことができるのです。
予防歯科が浸透し、多くの方が定期的に歯のメンテナンスを受けている欧米では、高齢者の残っている歯の本数が飛躍的に向上しています。 また、砂糖の消費が日本より多いのにもかかわらず、子どものむし歯は日本に比べて極端に少ないという報告もあります。
いくつになっても自分の歯でおいしく食事を味わい、歯の痛みや度重なる治療のわずらわしさを経験することなく、すこやかな人生をおくりましょう。
当院では、みなさまが生涯にわたって「お口の中の健康」を維持できるよう、大切な歯を残すためのむし歯予防に力を注いでいます。
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休診日:木曜・日曜・祝日