歯並びが悪かったり、咬み合わせが正しくなかったりすると見た目が悪いばかりでなく、食べ物をよく噛むことができません。
また、むし歯や歯周病になりやすく、 肩こりや頭痛などの原因になる場合もあります。
きれいな歯並びこそ、健康のシンボルです。
日本では可愛いという見方もされる八重歯も、欧米ではマイナスにとられる一因であることをご存知でしょうか。
欧米では、歯並びや咬み合わせの良さは健康管理とともに社会的ステータスのあらわれとして重要視されています。歯並びの良さは当たり前で、身だしなみの一部として考えられているからです。留学先や海外出張先で歯並びの悪さを指摘され、帰国するや矯正歯科に駆け込んだ、という話もめずらしくありません。歯の矯正をしている人は、健康に対して前向きと好印象を持たれ、社会人としてきちんと評価されています。
国際化社会のなかで欧米流の考え方は日本でも少しずつ浸透してきており、今日では矯正を希望する人の約3割が成人というデータもあります。
歯並びや咬み合わせが与える影響は、他人に与える印象だけではありません。その人の健康や生き方を大きく左右してしまいます。
矯正治療によって、歯並びや咬み合わせが良くなれば……
など、健康や生き方にとって非常に大きなメリットがあります。
一言に、歯並びが悪いと言っても、実際には、様々な種類の歯並びの不正があります。
その中でも、最も多いのが叢生(そうせい)です。あまり聞きなれない言葉ですが、特に前歯がきれいに並んでいなくて、ガタガタになっている状態です。
乳歯が永久歯に生え変わるときには、まず最初に、下の1番目の前歯から生え変わります。個人差はありますが、だいたい6~7歳くらいです。その後、下の2番目の前歯が生え変わって、合計で下の前歯4本が生え変わります。この時に、左右の犬歯の間に、この4本の永久歯が生えるスペースがあれば、歯並びは悪くはなりません(図1)。しかし、左右の犬歯の間に十分なスペースが無いと、永久歯は並びきらすに、ガタガタの状態になります(図2)。
このような叢生を治療する方法の一つに、床(しょう)矯正という方法があります。
床矯正に用いるのは、取り外しのできる入れ歯のような装置(図3)です。
この装置は真ん中に埋め込まれているネジを回すことで、装置が拡大し、左右の犬歯の間を拡げます(図4)。左右の犬歯間に十分なスペースができれば、歯を並べることができますので、その後、仕上げの装置により、歯並びを整えていきます。
歯並びの状態が複雑でなければ、取り外しができる装置で、歯並びを整えていきます。
この装置は、歯の外側と内側にワイヤーがあり、二つのワイヤーで歯をはさみこむような形で、歯並びを整えていきます(図5)。
歯並びの状態が複雑であれば、ワイヤー矯正が必要になることがあります。
取り外しのできる装置では、3次元的に歯の軸を動かすことができませんが、ワイヤー矯正では、歯の軸を様々な方向に動かすことができます。
ワイヤー矯正では、「ブラケット」と呼ばれる装置を歯に取り付け、そのブラケットにワイヤーを通して少しずつ歯を動かしていきます。
従来のワイヤー矯正は、矯正装置のブラケットが銀色で目立つという欠点もありましたが、最近では目立たないタイプのものもあります。ブラケットは以下のように各種タイプがありますので、ご相談ください。
このように、症例によっては、取り外しができる装置のみで歯並びを整えていくことができますし、複雑な症例では、ワイヤー矯正によって、3次元的に歯の並びを整えていきます。
ここまで説明してきたように、床矯正では、歯が並ぶために必要な犬歯間のスペースを、取り外しができる装置を使って拡大する方法です。
歯の根は顎の骨の中に埋まっており、歯を動かすことで、顎の骨にも変化が生じます。
成長期の子供さんであれば、歯が動くとともに、顎の骨の成長を促すことが期待でき、歯が動くだけではなく、顎の骨自体が成長して拡大することが期待できます。
それに対して、成長が終わっている人では、顎の骨の成長は期待できません。
そのため、成長が終わっている人の叢生を矯正治療する場合には、顎の骨の位置はあまり変わらないので、歯を動かすだけでは、十分なスペースが確保できない場合があります。
その場合、前歯が並ぶためのスペースを確保するためには、犬歯の一つ奥側の歯を抜くことによって、前歯の歯が並ぶスペースを獲得する、というやり方をしないといけなくなるかもしれません。
床矯正は、万能な方法ではありませんが、成長期の子供さんでは、永久歯を抜くことなく、歯並びを改善することができる可能性がありますので、前歯が生え変わって、歯並びに問題がありそうな場合は、早めにご相談いただければと思います。
床矯正のメリットとしては、前述したように、歯を抜かずに治療できるということがあります。歯を抜いて矯正をすると、本来の顎の大きさを得られない状態になります。顎の大きさが十分でないと、舌の収まるスペースが狭くなり、呼吸などにも影響が出る可能性があります。
また、取り外しができるので、都合の悪い時は外しておくことができるということがあります。小学生のお子様など、学校に行っている間は装置を外しておいても、それ以外の時間で、十分に装置を使用していただけば、同級生に知られることなく、矯正治療を進めていくことができます。
その反面、装置を外しておくことも自由にできるので、装置の使用時間が短くなることがあります。装置の使用時間が短いと、矯正治療の効果が得られないというデメリットがあります。
また、比較的大きな装置のため、異物感があるというデメリットもあります。
床矯正は矯正治療で、保険が効きませんので、自費治療になります。費用は、治療に必要な装置の数によって異なり、歯並びの状態が複雑であれば、必要な装置の数は多くなり、逆に、歯並びの不正が複雑でなければ、装置の数は最小限で済みます。
典型的な足りないスペースが多くない叢生の治療の場合、矯正検査、上下の拡大装置、上下の仕上げの装置を使用します。
この場合の費用は、221,200円になります。
足りないスペースが多い叢生の場合は、追加の拡大装置(31,600円)が必要になります。
拡大以外の処置が必要な場合は、追加の装置(63,200円)が必要になります。
また、歯並びの状態が複雑であれば、ワイヤー矯正(173,600円)が必要になる場合もあります。
この他、再診料(1,100円)や、装置が破損した際には修理の費用(3,700円)などの費用も必要なります。
矯正治療では、すでに悪くなってしまった歯並びや咬み合わせを治すだけでなく、悪くなりそうな兆候が見られる場合に、早期に対処することにより、将来大掛かりな治療が必要になることを避けることも大切です。また、悪くなってから(ある程度成長してから)治療する場合は、治療のために永久歯を抜かないといけなくなることもあります。しかし、一般的に、早期に対処すれば、必要な装置の数も少なく済ませられる場合が多く、歯を抜かないといけなくなる可能性も低くなります。
当院では、これらを含め様々な方法を組み合わせて矯正治療を行っています。
一人ひとりの生活スタイルやご要望を考慮して、
ご納得いただける矯正治療を提案できるよう心がけています。
矯正治療のくわしい内容や費用について、わかりやすくご説明いたします。
まずは、お気軽にご相談ください。
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