むし歯について3(むし歯の成り立ちについて詳しく)

前回は、どうしてむし歯ができるのかについて説明しましたが、今回は、より詳しく、少し科学的に説明したいと思います。

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歯の頭の部分の一番外側は、エナメル質というとても硬いもので覆われています。人の体の中で最も硬い組織です。とても硬いですが、細菌の作り出す酸に長時間さらされると、溶けてしまいます。溶かされて穴になったものが“むし歯”です。

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もう少し詳しく説明していきます。

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当然のことですが、歯はお口の中にあります。通常、お口の中には唾液が存在しますので、歯は常に周りを唾液で囲まれていることになります。

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また、お口の中にはとても多くの細菌が存在します。その数は数千億個もあり、種類は300から700種類くらいいると言われています。その細菌の中には、唾液の中に浮かんでいるもの、舌や粘膜の上に住み着いているものや、歯の表面に住み着いているものなどがあります。このうち、むし歯に関係するのは、歯の表面に住み着いているものです。歯の表面に住み着いている細菌は、それぞれ単独で歯の表面に張り付いているのではなく、プラークという細菌の塊となって、歯の表面にくっついています。

プラークの成分は、8割くらいが水分です。残りの2割は細菌と粘着物質で構成されていて、その中の約3/4が細菌、約1/4が粘着物質です。プラークの中の細菌も数百種類いますが、すべての細菌がむし歯に関係しているのではなく、むし歯に関係しているのは、お口の中の糖分から酸を作り出す細菌です。つまり、すべての細菌が糖分から酸を作り出すのではなく、ある特定の細菌が糖分から酸を作り出します。それらの細菌を、俗に“むし歯菌”と言います。代表的なむし歯菌には、“ミュータンス菌”があります。

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むし歯菌の作り出した酸が歯の表面に作用すると、カルシウムやリンなどのミネラル分が歯から溶け出します。このことを“脱灰(だっかい)”と言います。脱灰が進むと、歯はもろくなっていき、もろくなった部分が崩れると穴になります。この穴がむし歯です。

脱灰は一方通行で進行するばかりなのではなく、溶け出したミネラル分は、条件が整えば歯の中に戻ることができます。これを“再石灰化(さいせっかいか)”と言います。

歯の表面では、この“脱灰”と“再石灰化”が繰り返されています。“脱灰”はミネラルの“溶け出し”、“再石灰化”はミネラルの“回復”です。“溶け出し”と“回復”のバランスが取れているか、“溶け出し”の時間よりも“回復”の時間が多ければ、むし歯にはなりません。しかし、“溶け出し”の時間が“回復”の時間より多ければ、歯の表面の“脱灰”が進行してむし歯になります。

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次回は、この“脱灰”と“再石灰化”について、もう少し詳しく説明します。

 

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