子どものお口の健康を守るためには、むし歯予防だけでなく、口のまわりの筋肉(口輪筋)を育てることがとても大切です。
緑ヶ丘歯科クリニックでは、保育園や小学校での活動を通して、楽しく遊びながら口腔機能を鍛えられる「フーフークラゲ」を紹介しています。
これはナイロンひもで作るシンプルなおもちゃですが、遊ぶことで自然と口輪筋を使うことができ、六歳臼歯や永久歯のむし歯予防にも間接的に役立つ、とてもユニークな取り組みです。
フーフークラゲの作り方
- ナイロンひもを10cm前後に切ります。
- 真ん中をしっかり結んで芯を作ります。
- 両端を細かく裂くと、横から見たときに蝶々の羽のように左右対称に広がり、クラゲの触手のような形になります。
このユニークな形から、子どもたちには「クラゲみたい!」と大人気。見た目にも楽しく、作る過程も簡単なので、ご家庭でも気軽に挑戦できます。
遊び方
完成したフーフークラゲを宙に浮かせ、下から口をすぼめて「フーフー」と息を吹きかけます。
吹き加減を調整しないとすぐに落ちてしまうため、子どもたちは夢中になって挑戦します。
この「息を吹く」という動作が、自然と口輪筋トレーニングになり、お口の健康づくりにつながるのです。
お口の健康とむし歯予防への効果
口輪筋は「口を閉じる力」「正しい発音」「食べ物を飲み込む力」を支える重要な筋肉です。
この筋肉が弱いと、口がぽかんと開きやすくなったり、食べこぼしが増えたり、発音が不明瞭になったりすることがあります。
「フーフークラゲ」で遊ぶことで、口輪筋を鍛えられ、唾液の分泌も促進されます。唾液は天然のむし歯予防因子であり、六歳臼歯を含めた永久歯の健康を守るうえでとても重要です。
また、日常のケアとしては、
- 保護者による仕上げ磨き
- 定期的な歯みがき指導
- 歯科医院でのフッ素塗布
をあわせて行うことで、より効果的にお子さんの歯を守ることができます。
保育園での実践
先日、鳥取市立賀露保育園で行った「六歳臼歯保護事業」でも、フーフークラゲを園児のみなさんに体験してもらいました。
子どもたちは「もっとやりたい!」と大喜びで、楽しみながら何度も挑戦していました。遊んでいるうちに自然と口をすぼめる動きが身につき、保護者の方からも「家庭でもやってみます!」との声をいただきました。
このように、遊びながら学べる活動は、子どもたちの口腔機能の発達だけでなく、ご家庭でのむし歯予防への意識づけにもつながります。
まとめ
「フーフークラゲ」は、中央の結び目を芯にして両端を裂き、蝶々の羽のように広がる形が特徴のおもちゃです。
子どもたちは楽しく遊びながら口輪筋を鍛えることができ、その結果、六歳臼歯や永久歯をむし歯から守るための基盤づくりにもつながります。
緑ヶ丘歯科クリニックでは、こうした遊びを取り入れた活動を通じて、地域のお子さんの健やかな成長とお口の健康を支えてまいります。
ご家庭でも簡単に取り入れられますので、ぜひ親子で「フーフークラゲ」に挑戦してみてください。
監修歯科医師
緑ヶ丘歯科クリニック
院長 田中秀司
【所属学会】
日本補綴歯科学会
日本ヘルスケア歯科学会
【経歴】
1969年2月1日 鳥取県鳥取市生まれ
1993年 広島大学歯学部 卒業
1993~1995年 広島大学歯学部附属病院 研修医
1995~1998年 広島大学大学院
1998~2000年 ペンシルバニア大学医学部 学位取得後 研究員
2000~2001年 広島大学歯学部附属病院 医員
2001~2005年 広島県呉共済病院 歯科 勤務
2005年 緑ヶ丘歯科クリニック 開院